糖尿病が強く疑われる成人男女が約950万人に上る!ことが明らかになりました。
(厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査結果」の推計による)
これは、男性の27.3%、女性の21.8%が、糖尿病かその予備群であるということです。
糖尿病は自覚症状がないまま進行し、予備群でも放置していれば必ず糖尿病になってしまうという予防しくい病気です。だから油断大敵! あなたは大丈夫ですか?
そんな糖尿病を予防する食事療法のポイントをまとめました。
糖尿病予防のための食事療法とは?
糖尿病の代表的な食事療法として「カロリー制限食による方法」と「糖質制限食による方法」があります。
従来、カロリー制限食が主流でしたが、近年、継続のしやすさから糖質制限食が普及してきました。
糖質制限食は、3大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)のうち、
「食後、血糖値が上がるのは糖質を食べたときだけ」という事実に着目して
糖質の摂取を制限する食事療法 です。
糖質は炭水化物に含まれており体のエネルギーになる成分です。
糖質はご飯、パン、麺類などの主食や、ジャガイモやサツマイモなどの芋類に多く含まれています。
また、果物に含まれる果糖や、清涼飲料水やお菓子に含まれる砂糖も糖質です。
ヘルシーだと思いがちなザルソバですら、実はお菓子とほとんど変わらない食品なのです。
また、体内に吸収された糖質は筋肉や肝臓で貯蓄されますが取りすぎると脂肪として蓄えることが分かっています。
だから糖質制限をすることにより肥満防止にもつながるのです。
糖質を抑えた食事を心がけることによって血糖値の上昇を抑制、同時に肥満を防止することができる のです。
糖尿病予防のため食べて良い食品、控えるべき食品とは?
糖質制限では、主食を減らしますが、糖質以外の栄養素はむしろしっかりとる必要があります。
従って、主菜(おかず)を1品増やすなど、おかずを多く食べることになります。
タンパク質や良質な脂質は十分とって大丈夫です。
特にタンパク質は体の組織を作る上で欠かせない栄養素ですから、糖質制限では意識して摂るようにします。
だから、タンパク質は肉、魚、卵、豆類、乳製品からまんべんなく摂るといいでしょう。
なお、全食事で主食を抜くような極端な糖質制限を長期間継続するのは良くないという見解もあります。
実際、ご飯を全く食べないというのも辛い面もあり、日本人にとっては継続がむつかしいかもしれませんね。
だから、今までより、少し主食を減らすという「ゆるい糖質制限」から始めれば良いと思います。
特に、食後、体を動かすことの少ない夕食で主食を抜く方法が効果的です。
糖質制限食では糖質を控える代わりにたんぱく質・脂質はしっかり摂ります。 従来のカロリー制限のようにめんどうなカロリー計算は不要。
●主なOK食材は 肉類、魚、介類、豆腐や納豆、卵やチーズ、海藻類など。
野菜は葉野菜やきのこ類を中心に取り入れましょう。 ただし、れんこんやにんじんなどの根菜類やとうもろこし、かぼちゃなどは糖質が多めなので食べる量に注意します。
●避けるのは糖質の多い穀類やいも類、砂糖たっぷりの菓子類など。
果実類ではアボガドはOKです。 なお主食を食べるときには、精製された白米やめん類、白パンは避け、精製度の低い玄米や雑穀、全粒粉のパンなどを少量がのぞましい。 精製された糖質は植物繊維が少なく血糖値が上がりやすいからです。
▼調味料は意外に糖質を含むものかあるので注意!
塩、こしょう、マヨネーズ、オリーブ油はOK。糖質が多いのはケチャップやソース、みりん、しょうゆは刺身じょうゆなど甘いものは避ける、みそも白みそを避ければその他は基本的にOK。
料理の際は調味料のパッケージにある成分表をチェックするとよい。
なお、糖質制限で、具体的な「食べて良い食品、控えるべき食品」については以下の本が参考になるでしょう。
参考:食品別当質量ハンドブック 洋泉社 江部康二監修
糖尿病予防のための食べ方とは?
主食を減らす糖質制限制限したとして、完全に糖質をシャットアウトすることが可能です。
というのは、調味料や野菜にも幾分かの糖質が含まれているからです。
従って糖質を控える糖質制限食を適切に取り入れるとともに
食べ方を工夫することにより血糖値の上昇を抑制する必要があります。
では、血糖値の上昇を抑制する食べ方とはどんな方法?
まとめ
・時間をかけてゆっくり食べることが大事、そのためにはよく噛んで食べる。
・食べる順序は ①食物繊維の多い野菜 ⇒ ②肉・魚⇒ ③主食(炭水化物)
・糖質を食べ後は軽いウォーキングなど体を動かすようにする。