薬を使わないで糖尿病を改善する方法として、第1に食事療法、第2に運動療法と言われていますが、この2つと同時に行うことで相乗効果をあげる方法があります。
それが東洋医学のツボ療法です。
ここでは、糖尿病を改善する手のツボ療法と足のツボ療法を紹介します。
目 次
糖尿病改善のためのツボ療法とは?
東洋医学では、体の機能を整えるエネルギーを「気」と「血」としてとらえます。
気と血が「経絡」という道を通って体中を流れ、その2つの調和が健康の基本になるという考え方です。
経絡には、腎経、肝経などおもなものが12本あり、それぞれが各臓器とつながっています。この経絡の途中に点在しているのがツボです。その数は代表的なものだけでも約360個にのぼります。
体の不調は、気と血の流れが悪くなることで起こり、ツボに強い反応が現れます。
そこで、ツボを刺激すると気と血がスムーズに流れるようになり、体調を改善できるのです。
高血糖は、血がドロドロで流れが悪くなった状態。ツボ刺激を行うと、血液の流れがよくなり、血糖コントロールにも効果を発揮します。
加えて、ストレスなどによる慢性的な疲れを改善してくれるのもうれしい点です。
ツボ刺激の方法には指圧、灸、鍼がありますが、どこでも気軽に行えるのは指圧。
鍼灸院の治療のような即効性は難しいですが、根気よく続けていればしだいに効きめを実感するでしょう。
糖尿病改善のため手のツボとは?
①手の甲のツボ刺激は手軽にできる
手のツボ刺激は、電車の中、テレビを見ながらなど、思いついたときに手軽に行えるのが利点です。
手の甲にある小腸経のツボ 「腕骨(わんこつ)」は肘の痛みに効くので有名ですが、専門家の間では古くから糖尿病の治療に用いられてきました。
糖代謝を助け、内分泌系の働きを促進するほか、嘔吐、頭痛、うなじのこわばりなどの症状にも効きめを現します。
②血液循環をよくする「中衛(ちゅうえい)」と「陽谿(ようけい)」
心包経にある「中衛(ちゅうえい)」も、糖尿病に効くツボとして有名です。
ここへの刺激により、全身の血液循環と糖代謝が促されるため、血液の流れがよくなり、血糖値をコントロールしやすくなります。
さらに、末梢部の血流を活性化する働きがあるので、糖尿病の合併症予防にも効果的です。
また、血圧を下げる効果もあり、高血圧にともなう頭痛、胃痛、めまい、耳鳴り、不眠などの症状も緩和できます。
なお、「陽谿(ようけい)」は大腸経にあるツポで、手を広げたとき手首の少し上にできる親指側のへこみ部分。
このツボを刺激すると消化器の動きが活発となり、糖代謝を進め、血糖値の上昇を抑えるといわれています。
ツボ刺激は、親指の腹で強く押して行い、「3秒押して1秒休む」を2~3分続けます。
糖尿病予防のため足のツボとは?
③高血糖のだるさを改善する「湧泉(ゆうせん)」
足の裏には、左右合わせるとほぼ全身のツボが集まっています。
足裏マッサージが効果的なのはこのためです。
なかでも「湧泉(ゆうせん)」は“エネルギーが泉のように湧き出る” という名を持つ重要なツポです。
位置は土踏まずのやや上の中央、足の指を
内側に曲げたときにできるへこみ部分。
親指の腹で強めに押して刺激を与えると、高血糖によるだるさや疲れを取り除いてくれます。
青竹やゴルフボールに足をのせて湧泉を中心に転がす方法も効果的。
インスリン分泌を活発にする土踏まずといっしょに刺激できるので効きめがアップします。
④ツボの集中した足裏は握足手で刺激する
漢方でいう五臓六腑のうち、肝臓、胃、胆嚢、膀胱、脾臓に関係するツボが足の指にあります。
昔の人が頑健だったのは草履のような履物を履いて歩くことにより、これらの足のツボが毎日適度に刺激されていたことも関係していたのでしょう。
底の厚い、指先が窮屈な靴ばかりを履いていたのでは、足の指がひ弱になり、休から活力も衰えてしまいます。
これは足の指を鍛える運動で、ツボ刺激にもなります。
裸足になり、手の指と兄の指をしっかりと組み合わせ、足の指を甲側に強く反らせます。
これを毎日数回繰り返します。
靴で足の指が衰えている人は、うまく手の指と組ませられないかもしれません。そんな人は、できる範囲内で指を組めばいいでしょう。
握足手で、指を甲側に伸ばすと、足の血行がよくなり、足の疲れがスッと取れていきます。
まとめ
手のツボ療法
①「腕骨(わんこつ)」の刺激は糖代謝を助け、内分泌系の働きを促進する。
②「中衛(ちゅうえい)」と「陽谿(ようけい)」の刺激で血液循環がよくなる。
足のツボ療法
③「湧泉(ゆうせん)」を強めに押して刺激を与えると、高血糖によるだるさや疲れを取り除かれる。
④握足手で、指を甲側に伸ばすと、足の血行がよくなり、足の疲れが取れる。
コメント
心包経にある井穴は中衛(ちゅうえい)ではなく中衝(ちゅうしょう)の間違いだと思います
by あまの 2017年1月20日 6:51 PM
自分の体を試体として少しづつでも解放に向かうように真摯に信じながら施術していきたいと思います。
by 澁谷孝信 2017年3月18日 1:26 AM