糖尿病と心不全の関係は?リスクが増す理由は?予防法は?

いま「糖尿病と心不全」が注目を集めています。sinfuzen2
ここでは、糖尿病と心不全はいったいどのような関係なのか、なぜ糖尿病だと心不全のリスクが増えるのか?そしてどうしたら心不全を予防できるのか…
についてご紹介します。

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糖尿病と心不全の関係は?

心不全とはどんな状態か?

心不全というのは、固有の病名でなく、血液を送り出す心臓のポンプ機能が低下することによって生じる状態を全般的にさします。
何らかの理由で心臓の機能がうまく働かず、全身の血液循環が滞りがちな状態を言います。

循環が悪くなると当然、血管内に水分がだぶつくようになるため、血液量が増し高血圧になりやすくなります。
このような状態が続くと、心臓はなんとかポンプ機能を高めようとして心臓の筋肉を 肥大させてしまうために、「心肥大」という状態になります。

心肥大状態が悪化すると心筋梗塞などに発展してしまうこともあります。
このように、心不全というのは「心臓の病気の入り口」のようなものなのです。

心不全と糖尿病との関係は?

近年、糖尿病人口は増加傾向にあり、最近の調査によれば、950万人が患者であると想定されています。
日本人のおよそ12から13人に一人が糖尿病ということになります。
そして驚くべきことに、それに伴い心不全などの心疾患の発生率も上昇しているというのです。sinfuzenn

国立循環器研究センターは、心不全と糖尿病の関係を把握するため、608名の2型糖尿病患者の予後を調査しました。
結果、全患者の15%が心不全で入院したそうです。
心不全が多いと言われている欧米でも、糖尿病のない人の場合、心不全発生率が約0.7%ですから、いかに糖尿病患者が心不全を合併しやすいかわかるでしょう。

アメリカでの調査もあります。
年齢と性別等の条件を整えた非糖尿病患者と糖尿病患者とを比較したところは、男性で2.4倍
女性で5.1倍、心不全の合併頻度が高くなっていることがわかりまいた。

これらの調査からわかるように、程度のばらつきはあるにせよ、
糖尿病患者が心不全の有病率や発症率が高いというのは、疑いようのない事実なのです。

糖尿病だと心不全のリスクが増す理由

糖尿病が心不全を招きやすいもう一つの理由に、腎臓にあります。
ご存じのように腎臓は尿を作る器官です。身体の中でいらなくなっ た老廃物を含む血液をろ過して、尿として体外排出するとともに、
きれいになった血液を体内に戻すという働きをしています。

この血液をろ過しているのが腎臓の糸球体と呼ばれるところです。
これはちょうど浄水器のような役割を果たしています。
水道の蛇 口に取り付けるタイプの浄水器をお使いの方ならわかると思いますが、水を浄水するためのカートリッジという部分には、そうめ
んサイズの糸がぎっしり詰まっています。

この糸の中に水を通して、不要な物質を絡めて取り除くのが浄水器のシステムです。
腎臓における糸球体もちょうど同じような働きをして、血液から尿をこし取っています。
ただし、この糸球体は毛細血管の塊でできているため、高血糖が長期間続くと毛細血管が糖で詰まってしまい、ろ過機構が破綻してしまいます。
この状態が三大合併症の一つ、糖尿病性腎症です。

血液中にはタンパク質も含まれています。
糸球体はこれらをしっ かりこし取り体内に戻しますが、腎症に陥った状況下では、大事
なタンパク質などが尿として身体の外に漏れ出てしまうのです。
これがタンパク尿ですね。

タンパク尿が多量になりますと当然ながら血液中のタンパク濃度が下がります。
血液中からタンパク質が失われると、浸透圧の関係で、血管内に水分を保つ力が低下してしまい、血管から全身へ
水分が流れやすくなります。
また、腎機能低下によって体中の水分をうまく排泄できないため、結果的に体は常に水分をため込んだ状態となりむくみが引き起こされてしまいます。
そして、体内の水分量が過剰となり高血圧となります

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体内の水分過多状態と高血糖。この二つは、心臓に大きく負担をかけます。そのため心不全を招いてしまうのです。
糖尿病は、腎障害という合併症を引き起こしやすく、さらにそこから心不全をも引き起こします。
一連の流れが「最悪の連鎖」になっていることを覚えておいてくださいね。

心不全を予防するための心得は

HbA1cを8.0%以下でキープする

 国立循環器センターの調査によれば、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が
 8.0%を超えて悪くなっている糖尿病患者の場合、心不全によっ て入院する割合も増えていたとのことです。

 ちなみに、日本糖尿病学会はHbA1cによる「血糖コントロール目標」の基準によれば、「合併症予防のための目標」は7.0%未満、
 「治療強化が困難な際の目標」は8.0%未満です。

 「治療強化が困難」というの、「何らかの理由で積極的な治療が行えない場合でも、せめて8.0%以下に
 はしましょう」というような意味です。

 つまり、8.0%というのは糖尿病コントロールの基準から考えると決して十分ではなく、できれば7.0%以下にするのが好ましい
 のですが、それが無理ならば「せめて」8.0%以下にはしてください、ということです。

 

塩分量を制限する

糖尿病の方は、普通の人よりも心不全になりやすいため普段から心臓に負荷をかけないようにすることが大切です。
その際に大切なのが「塩分を制限すること」です。

なぜ、塩分が心臓に負担をかけるのでしょうか。
体内では、塩分(ナトリウム)と水分は結びつきやすいのです。
塩分を摂取すると、当然ながら血液の中の塩分濃度が高くなります。塩分濃度が高いと周囲の細胞から水を引き出し結びつこうとする働きがあり
ます。

 結果、水分を取られた細胞は壊されてしまうのです。
ナメクジに塩をかけた場合、ナメクジは縮んでしまいますね。
あれは表皮に振りかけられた塩分の濃度が高いため、水分がどんどん外に流れてしまうのです。

これは人にとってたいへん危険な状態です。
このようなことを防ぐために体内にはバソプレッシンという濃度を一定に保つホルモンがあります。
体内の塩分が高くなるとこのホルモンが分泌され、水分の均衡を保とうとするのです。

ただし、バソプレッシンには高血圧を招く作用があります。取り込まれた塩分の濃度を下げようと、のどが渇き、水分を飲むよう
になります。結果、体内の水分量が増えます。
以上が、塩分過多が心臓に負担をかける理由です。

米国心臓協会は、世界中の成人の4分の3が毎日推奨量の2倍近くの塩分を摂取していると警笛を鳴らしています。
日本の基準では、男性は10g未満。女性は8g未満です。
年齢が高いほど、「漬物」から塩分を取る割合が高いのだとか。
ちなみに、梅干し一個には約3gの塩分が含まれています。
ほかに例を挙げるとみそ汁一杯1g程度、焼き魚定食で4から5g程度です。
とはいえ、毎回の食事で塩分 量を計測するのも至難の業です。

簡単な減塩ポイント
 ・魚は干物や塩漬けよりも、刺身や素焼きにする

 ・しょうゆは直接かけずに小皿にとってつける

 ・みそ汁は具だくさんにする

 ・ラーメン、うどんなどのスープは飲まない

 ・塩のかわりに、酢・うまみ・薬味などを使って味に変化を持たせる

 
 

今回のまとめ

 
 いかがでしたか。糖尿病と心不全の知られざる関係、ご理解いただけたでしょうか。ポイントは、なんといっても糖尿数値を基準
 値にできる限り近づけること!

 それから塩分制限など心臓の負担を和らげる習慣を持つことが大切です。

 

・糖尿病性腎症を合併することで、心不全のリスクが高まる

 ・HbA1cの値を、8.0以下できればそれ以下に下げるよう気をつける
 
 ・塩分量は、女性で8g以下、男性で10g以下となるようにする

 ・塩分と食習慣は密接な結びつきがある。日ごろからの習慣づけが大切

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