癌の死亡率の推移は?部位別では?がんを予防する方法は?

「いま、がんが増えています。」というのはマスメディアの常套句ですが、果たして本当でしょうか?yoboho

国立がん研究センターの統計情報で人口の高齢化の影響を除いた年齢調整率で見ると実は減り始めています。

ここでは、 これはどういうことかを確認し、がん予防の方法をご紹介します。

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癌の年齢調整死亡率の推移を見ると

信じられないかもしれませんが、がんは減っています。
高齢化の影響を除いた「年齢調整死亡率」 で、すべてのがんを合算してみると、男女とも、死亡率が1990年代の後半をピークに減少しています。

とくに75歳未満では、この傾向が顕著で、60年代から一貫して減少しています。

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ただし、これを聞いて安心してはいけません。

がんによる死亡者の数、がん患者の数は増えているのです。
どうして、このような複雑な話になるのか。キーワードは「高齢化」です。

がんは高齢者がかかりやすい病気ですが、ご存じのように、日本は急速に高齢化が進み、高齢者の数が増えています。
だから、がんになる人、がんで亡くなる人の実数は増えている

しかし、この高齢化による影響を数学的に取り除くと、がんで亡くなる率は減っていると言えるのです。

こうした年齢調整死亡率の変化が意味するのは、適切な対策さえおこなえば、がんの死亡リスクは着実に減らせるということです。
食生活の改善や禁煙の推進、検診の受診率向上などが、がんを減らすのに効果を発揮しています。

また医療面でみれば、早期発見の増加、医療技術の向上や、感染対策の進歩といった要因が挙げられます。

 

癌の死亡率を部位別に見ると

個別のがんごとに死亡率の推移を、具体的に見てみましょう。

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胃がん

年齢調整死亡率で見て、最も顕著に減っているのは「胃がん」です。
男女とも40歳代から70歳代の死亡率が減少しています。
胃がんが日本人に多かったのは、漬物や塩辛など、保存食に使う塩分の取り過ぎが原因でした。
それが冷蔵庫の普及で塩分が控えめになり、1960年代ごろから減り始めました。
冒がんの原因となるヘリコバクターピロリ菌も、井戸水を使わなくなったことで感染率が減っています。

肝がん

次に減少が目立つのが 「肝がん」 です。
このがんの7~8割は、C型、B型肝炎ウイルスの感染が原因ですが、ウイルスが特定されたことで、輸血や血液製剤からの感染予防策が進み、90年代の中ごろから減り始めています。

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ウイルスを駆除する薬物療法が進歩すれば、今後さらに感染者も肝がんも減ると考えられます。

肺がん

「肺がん」 も近年、わずかに減る傾向にあります。
言うまでもなくたばこの影響が大きいがんですが、とくに男性の喫煙率が減った効果が出始めています。
しかし、まだまだ日本の喫煙率は高い。
2010年のたばこ値上げで一気に下がりましたが、その効果が出るのは10年、20年後でしょう。

女性の喫煙率は減っていませんし、日本の禁煙対策は、決して充分ではありません。
対策を強力に推し進めた欧米では、肺がんは男女とも大きく減り始めています。
たばこは、他のほとんどのがんにも悪影響を及ぼしますので、ぜひ対策を進めたい分野です。

大腸がん、乳がん、前立腺がんなど

一方で、日本人に少なかった大腸がん、乳がん、前立腺がんなどが、1960年代以降は増えました
これは、食生活の西洋化(高脂肪・高たんばく) が要因と言われています。
大腸がん、前立腺がんは、増加に頭打ち傾向が見られますが、乳がんが増え続けているのが心配で、有効な対策を進める必要があります。

欧米ではマンモグラフイ (乳がん専用X線装置)検診の受診率が高く、その結果、乳がんで亡くなる人が顕著に減りました。
ところが、日本ではなかなか受診率が向上せず、死亡率が下りません。
早期発見すれば完治できる可能性の高いがんだけに、ぜひ検診を受けましょう。

がんを予防する方法は?

国立がん研究センタ1がん対策情報センターでは、インターネットのウェブサイト「がん情報サービス」(ganjoho.jp)で、科学的根拠にもとづいた「日本人のためのがん予防法」を公開しています。

がんの予防方法
「たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける」
「飲むなら節度ある飲酒をする」
「偏らずバランスよく食べる」
「日常生活を活動的に過ごす」
「太り過ぎない、やせ過ぎない」
「肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染の場合は治療する」

当然のように思われるでしょうが、これだけでも、がんのリスクをかなり減らせるのです。

年齢調整死亡率でみると、がんは減っているとはいえ、2人に1人が、がんになる時代です。
年齢調整羅患率2000年前後に、横ばいから増加に転じています。
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自分か家族のだれかが、いつかはがんになると考えたらよいでしょう。

とはいえ羅患率が上がっても、死亡率が下がっているということは、がんの診断能力が向上していることと、治療の成果があがっていることを意味します。

ですから、いたずらに不安になってサプリメントや偏った健康法に頼るのはよくありません。
がんとは無縁でいられる人はいないのですから、常日頃から科学的に正しい情報を見極める力を身につけることが重要です。
先に述べた予防法を守って、積極的に検診を受けることを心がけてましょう。

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