タバコにはベンツピレン、ナフナルアミンニトロソ化合物などの典型的な発癌物質をはじめとして40種以上の発癌物質が合まれています。
しかし、これらの発癌物質の量はごく微量で、これらの物質だけでは発癌に至らないと考えられています。
ここでは、喫煙と癌やアルツハイマーなどの病気との関係や、喫煙率の推移(厚生労働省)を紹介します。
喫煙と癌の関係は?
各国で行われた疫学調査は、喫煙本数が多ければ多いほど肺癌の死亡率が高くなることを証明しています。
何故、喫煙本数と癌の死亡率とか密接な関係にあるのか様々な研究が行われ、タバコの煙が発癌の鍵を握っていることがわかりました。
タバコの煙の中には、スーパーオキシド、過酸化水素等の酸素ラジカルが検出され、特に過酸化水素が大量に含まれています。
過酸化水素は非常に安定しており、しかも細胞膜を容易に通過して細胞の内部、さらには核の中に入り込み、そこに存在する鉄と反応して最も有毒なヒドロキシラジカルを作り出します。
ヒドロキシラジカルはDNAを切断するばかりでなく、DNAの塩基を攻撃します。
ヘビースモーカーになればなるほど沢山の煙を吸い込みますから酸化ストレスは大きく、核の中のヒトロキシラジカルがDNAを傷害し、その結果発癌する、という説が有力です。
喫煙率の推移(厚生労働省国民健康栄養調査)は?
社会の風潮も禁煙へと大きな流れが出来ており、タバコを吸える場所もどんどん減っています。
タバコは心身の清涼剤、やめる必要などない、などと主張する医師もいますが、タバコか健康に良いという証拠は全くありません。
禁煙への流れは今後、増々強まると碓信しています。
厚生労働省の平成26年「国民健康・栄養調査」によると、現在習慣的に喫煙している者の割合は、19.6%であり、性別にみると、男性32.2%、女性8.5%でした。
この10年間でみると、男女ともに有意に減少していますが、平成22年以降、総数で20%前後、男性で33%前後、女性は9%前後と、横ばいで推移しています。
年齢階級別にみると、その割合は男女ともに30歳代で最も高いことがわかります。
現在習慣的に喫煙している者のうち、1日に21本以上吸う者の割合は、男性15.2%、女性 5.5%でした。この10年間でみると、男性では大きく減少している一方、女性では変化はみられませんでした。
アルツハイマーと 喫煙の 関係は?
「タバコは痴呆の予防になる」と自分にに郁合の良いデータだけを信じている人もいます。
確かに以前、喫煙に痴呆を防ぐ効果があるという成績が発表され評判になったことがあります。
喫煙ーアルツハイマー しかし1998年「喫煙はアルツハイマー病にかかる危険を2倍にする」という研究が英国の医学維誌に発表されました。
2000年には英国医師を対象に長期間にわたって調べた研究が発表され、こちらの結論も、「少なくとも、タバコにアルツハイマー病の予防効果はない。むしろ良くない」と否的でした。
このように、発癌をはじめとして、虚血性心臓病、痴呆お「タバコが万病の源」であることをデータは証明しています。