糖尿病と飲み物に関しては、2015年に日本の国立がん研究センターが、死亡リスクとコーヒー、緑茶の関係を発表しました。
ここでは、内外の研究結果報告の内容をご紹介し、コーヒーと緑茶が糖尿病リスクを軽減する理由をご紹介します。
目 次
コーヒーの糖尿病リスク軽減効果は?
日本の発表内容は?
コーヒーについては、国立がん研究センターは
「1日に3~4杯飲む人は、まったく飲まない人にくらべ、死亡リスクが24%も低かった」、
さらに糖尿病との関係では、2009年に国立国際医療研究センターが
「コーヒーを1日に3~4杯飲む人は、男性で17%、女性で38%、糖尿病リスクが軽減される」
と発表しています。
世界の発表内容は?
コーヒーを飲む量と糖尿病の改善や予防は、世界でも数多くの研究が報告されています。
2014年に欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌に発表された内容では、以下のことが判明しました。
りも2型糖尿病にかかる吋能性が11%低い」、
・「1日3杯以上を飲んでいるグループのリスクはもっとも低く、1日1杯以下の人とくらべて37%低かった」
コーヒーが糖尿病を予防する理由は?
糖尿病発症をおさえる理由は?
「コーヒーに含まれるカフェイン、ポリフェノール、マグネシウムなどの成分に、糖尿病発症をおさえる効果がある可能性がある」と指摘し、以下の可能性が報告されています。
・「また抗酸化作用そのものが動脈硬化などの予防に有効である」
・「カフェインがエネルギーを熱で放出させ、脂肪の蓄積を減らす」など
飲み過ぎのデメリットは?
ただ、血糖値を下げるために、コーヒーを大量に飲もうとするのは現実的ではありません。
まず、砂糖やミルクを入れずにブラックコーヒーを飲むということが重要です。
なお、コーヒーの飲み方については次の記事が参考になるでしょう。
⇒コーヒーに入れるなら砂糖よりミルク?清涼飲料水のカロリーに注意!
ただし、コーヒーに含まれる成分のカフェインを過剰に摂取すると、次のようなデメリットとなる症状が現れることもあると報告されています。
緑茶の糖尿病予防効果は?
緑茶については、1日にほとんど飲まないグループを基準として比較した場合、
「1日3~4杯飲んだグループは、死亡リスクが男性では12%、女性で13%も低下した」と言います。
そして、なぜ緑茶を摂取すると死亡リスクが低ドするのかを、研究チームは次のように説明しています。
・緑茶に含まれるカフェインが血管内皮の修復を促し、血管を健康に保つ。
・カフェインに気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果がある。
「糖尿病のマウスに緑茶の抽出物を摂取させ、運動をさせたところ、16週間後に、体重は27.1%、腹部脂肪は36.6%減少、空腹時血糖値は17%低下した」
と報告されています。
研究チームの担当者は、「運動をしなければ、緑茶の成分ををいかすことはできません。運動と緑茶の摂取の両方を行うことが重要です」と述べています。
マウスが摂取した緑茶の量は、人間では1日8~10杯分に相当するとのことで、これは緑茶を多めに飲む人の摂取量に近い量ではないでしょうか。