近年の研究により、老化や病気のほとんどは活性酸素が関係していることが、明らかになって来ました。
今、日本人の健康を害する四大疾病は「がん・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病」です。
50歳を超えた中高年の多くの人が、このいずれかの徴候があるといっても過言ではありません。
その四大疾病のいずれもが、活性酸素が関係しているのです。
ここでは、四代疾病の代表であるがんについて、がん細胞の増殖を防ぎ、予防する方法をご紹介します。
目 次
日本の四大疾病の増加原因は?
活性酸素が細胞を傷つける?
日本の四大疾病の増加は、メインエンジンがミトコンドリアに移ったのちも、「解糖エンジン」を活発に動かし続けている食生活に原因があるからです。
とくにがん細胞は、正常細胞の遺伝子に傷がつくことによって生まれます。
細胞を傷つけるのは活性酸素です。
私たちの体内では、日々三千~五千個ものがん細胞が出現しています。
しかし、日々出現するがん細胞が、ただちにがん組織になるわけではありません。
免疫システムの役割とは
私たちの免疫システムが、毎日現れるがん細胞を見張って攻撃し、増殖して進行がん化すのを防いでくれているからです。
このシステムがしっかり働かない状況が続き、免疫力が落ちれば、がん細胞は無限に分裂・増殖を繰り返すようになります。
日本人のがんの死亡率は
がんの死亡率は、50歳を過ぎた頃から急激に増え、高齢になるほど高まります。
50歳を過ぎたら、がんの羅漢は人ごとではなくなります。
がん細胞の増殖を防ぐには?
『免疫革命』 の著者として知られる安保徹新潟大教授によると、
「がん細胞は先祖返りした細胞」であり、体内を低体温・低酸素の環境にしたために、古の細胞に戻った結果です。
はるか昔、私たちの祖先となる生物は、無酸素と低温の環境にて「解糖エンジン」を働かせて生きていました。そんな過酷な環境にあっても、さかんに血管を伸ばし、栄養をとっていた細胞があります。
その生命力旺盛な細胞こそが、がん細胞だと、安保教授はいいます。
従って、がん細胞の増殖を防ぐには、私たちの体内をがん細胞が喜ぶ環境にしないことが重要です。
がんを予防する方法とは?
活性酸素の発生を減らすには?
がん細胞は、古代の環境で生き延びてきた細胞であり、「解糖エンジン」のもとで優位に働きます。
「解糖エンジン」 は、高糖質・低体温・低酸素の三拍子がそろうと活発化します。
ですから、50歳からのがん予防には、第一に糖質の豊富な食品を控え、「解糖エンジン」の働きを抑えることです。
50歳を過ぎたのち、「解糖エンジン」 の働きを抑えられれば、活性酸素の発生を減らすこともできます。
実は活性酸素は、免疫システムの一つです。
体内に病原体など敵と判断される異物が侵入してきたとき、体内では活性酸素が大量に放出され、その強力な酸化力で敵をやっつけるのが、本来の役割です。
ところが、強力な酸化力は敵だけでなく、自らの細胞も傷つけてしまうのです。
活性酸素が免疫システムの一部である以上、発生をゼロにすることはできません。
50歳以上の人の食生活の改善とは?
しかし、生活の工夫によって無駄な活性酸素の発生をできるだけ防ぎ、病のもととなる細胞を生み出す確率を減らす努力はできます。
その生活改善の一つであり、最大の効力を発揮する対策が、「50歳からは『解糖エンジン』を活発化させない」 ことなのです。
記事:40代までは炭水化物を!ミトコンドリアエンジンで50代以降の老化を遅らせるには?
で述べたように、
「解糖エンジン」は糖質が入ってくると、瞬間的に動きます。
50歳を過ぎてから、一日三食、炭水化物たっぷりの主食をとり、「解糖エンジン」を常に活性化させていれば、「ミトコンドリアエンジン」に誤作動を起こさせ、活性酸素を大量に発生させます。
毎食白いご飯を食べることは日本人としてあたりまえの食習慣でしょうが、それががんの発生にまでつながる大問題となってしまいかねないのです
50歳以上の人は、糖を控えればがん予防にもなるのです。
正しい糖質制限とは|ダイエットアドバイザーのコメント
ただし、炭水化物を止めることにより必要な栄養素やエネルギーの不足にならないように注意する必要があります。
そのための献立は主食を減らすと同時に、おかずを増やしてタンパク質や良質の脂質(※)はむしろしっかり摂るべきです。
※良質の脂質に関する参考記事:油脂・脂肪酸の種類とは?どの油脂をどのようにとれば健康にいいのか?
また、食物繊維やミネラル、ビタミン等も不足しないように注意する必要があります。
そのため、糖質制限ダイエット継続中の私は「すっきりフルーツ青汁」を補助食品として利用しています。