熱中症は7月や8月だけでなく、5月や6月でも急に気温が上がる日や、
残暑が厳しい9月以降も、かかるおそれがあります。
熱中症にかからないようにするためには、水分をこまめに取るということと、
できる限り暑さを避けること、この2つがあげられます。
ここでは、近年、熱中症が増加してきた理由と、その様々な症状、予防するポイントをまとめました。
近年、熱中症が増加した理由は?
熱中症の発生数は、確実に増加傾向にあります。
それには以下の理由が考えられます。
1.真夏日、猛暑日、熱帯夜の増加や都会のヒートアイランド現象など、日本の夏が以前に比べて確実に暑くなってきたこと。
その背景として、地球温暖化による影響に加えて、道路の舗装、森林の減少、空調の室外機の増加などで気温が上昇。
夜も気温の下がりが悪いなどで熱中症は増えたように思います。
2.高齢者、独り暮らし、経済的困窮者など、熱中症弱者といわれる人々の増加。
高齢者の数そのものの増加に加え、若年の家族に見守られずにくらす高齢者が増加したことが、恒例の熱中症患者増加の原因と思われます。
3.“熱中症”という言葉の認知度が上がったことで、熱中症と診断される患者数が増加したこと。
熱中症の症状は 様々ってどういうこと?
「熱中症」とは、発汗や循環機能に異常をきたし、体温の調節がうまくできなくなることによって起こる、様々な体の不調を総称した症状です。
「体温調節機能」がうまく働かなくなると、発汗による蒸発や皮膚からの熱放出を通じた「体温のコントロール力」が崩れ、本来なら暑いときも寒いときも一定に保たれるはずの体温が上昇し、体内に熱がこもってしまいます。
同時に、体内の水分や塩分のバランスも失われることによって、めまい・けいれん・吐き気・意識障害・頭痛など、さまざまな「熱中症」の症状が引き起こされることになるのです。
以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。
一時的に意識が遠のいたり、腹痛などの症状が出る場合もあります。
症状2:筋肉痛や筋肉のけいれん 「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつるなどの症状が出る場合があります。
筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなることもあります。
症状3:体のだるさや吐き気 体がぐったりし、力が入らない。
吐き気やおう吐、頭痛などを伴う場合もあります。
症状4:汗のかきかたがおかしい ふいてもふいても汗がでる、もしくはまったく汗をかいていないなど、汗のかきかたに異常がある場合には、熱中症にかかっている危険性があります。
症状5:体温が高い、皮ふの異常 体温が高くて皮ふを触るととても熱い、皮ふが赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです。
症状6:呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない 声をかけても反応しなかったり、おかしな返答をする。
または、体がガクガクとひきつけを起こしたり、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは、重度の熱中症にかかっています。
すぐ医療機関を受診しましょう。
症状7:水分補給ができない 呼びかけに反応しないなど、自分で上手に水分補給ができない場合は大変危険な状態です。
この場合は、むりやり水分を口から飲ませることはやめましょう。すぐ医療機関を受診しましょう。
熱中症を予防するポイントは?
いずれにせよ、熱中症になってから処置をするよりも、なる前に危険を避けるよう努める予防が最も良いことは、言うまでもありません。
その主なポイントは以下のとおりです。
1.「体調の管理」という点では、
睡眠不足や過労、あるいは風邪などで体力がおちている時に、暑い外を歩き回ったり運動をしたりしないようにすることです。
2.「環境の調整と水分補給」という点では、
まず発汗がしやすいように風通しのよい、吸湿性のある服を着たり、外出時には帽子や日傘を準備するようにします。
外出時には、
時おり涼しい木陰やクーラーのある室内で、休息をとるようにします。
また水分補給では、
「こまめな水分摂取」「塩分も補給が必要」であることの二点をおぼえておきましょう。
人は普通に夜寝ているだけでも、発汗によって約500mlの水分を失っています。したがって起き抜けの朝は「軽い脱水状態」にあると言ってよく、まずはコップ1~2杯の水を飲むようにします。
普通に生活していても一日に2リットル以上の水分を失っているだけでなく、暑い夏場は多いときに一時間に1リットルの汗をかく場合もあるので、こまめな水分の補給が欠かせません。
ただし「水分」とは、基本的に「水(真水)」を指すことに注意が必要です。
まとめ
1.日本の夏が以前に比べて確実に暑くなってきたこと、
2.熱中症弱者といわれる人々の増加 である。
■「熱中症」とは、発汗や循環機能に異常をきたし、体温の調節がうまくできなくなることによって起こる、様々な体の不調を総称した症状。
めまい・けいれん・吐き気・意識障害・頭痛など、さまざまな「熱中症」の症状が引き起こされることになる。
■熱中症になってから処置をするよりも、なる前の予防が大切。
日常の適切な「体調の管理」とこまめな「環境の調整と水分補給」がポイント