京都の祇園祭は八坂神社の神事で、7月の1ヶ月間、八坂神社や山鉾町を中心にさまざまな神事や行事が執り行われます。
昨年の祇園祭りでは二つの大きな節目を同時に迎えました。
ひとつは約半世紀ぶりに後祭りが復活したことで、もう一つは、150年ぶりの大船鉾(おおふねほこ)も復興したことです。
今回の記事では京都祇園祭後祭りが復活した理由や復興した大船鉾、および2015年のあと祭りの日程、見所などについて紹介します。
祇園祭の後祭りの復活理由は?
古来祇園祭では、神事の中心となる
7月17日の神幸祭(しんこうさい)と
7月24日の還幸祭(かんこうさい)にあわせて
2回の山鉾巡行が行われていました。
17日の山鉾巡行を前祭(さきまつり)といい
24日の山鉾巡行を後祭(あとまつり)といいました。
それが、1966(昭和41)年を最後に
翌1967(昭和42)年より、7月17日の1回に統合されたのです。
交通規制などの交通事情やかかる費用に加え、
観光客の方々から
山鉾を一度に見たいという希望があった事が
統合された理由です。
その後、2013(平成25)年までの48年間
山鉾巡行は、7月17日の1回だけ行われてきました。
長年行われていなかった後祭ですが
なぜ、平成26年から復活となったのでしょう?
後祭復活の理由とは?
「 1000年以上続く祇園祭の本来の形を、正しく後世に残すため 」 です。
その理由は、平成26年の祇園祭は、新たに復活する山鉾があるため
それに合わせて後祭を復活させよう!という流れが起きたからです。
復活する山鉾は
「大船鉾(おおふねほこ)」といい
実に、150年振りの復活となります。
このようにして、「後祭」と「大船鉾」のダブルの復活となったのです。
祇園祭の大船鉾(おおふねほこ)とは?
大船鉾(おおふねほこ)は1864年、「蛤御門の変」で鉾の木組みや車輪などを焼失しました。
以来、巡行には参加せず、大火を免れた御神体や懸装品(けそうひん)を披露する「居祭(いまつり)」)で祇園祭に参加してきました。
神事以外の居祭を休止する時もありましたが、お囃子の再生、鉾の再建、懸装品の復元など、着々と復興を目指して準備を進めてきました。
2014年3月末までは、徐々に再建されていく大船鉾の木組みが京都駅前の「ヨドバシビル」1階で公開されていました。
そして2014年7月、再建された大船鉾が山鉾巡行に参加したのです。
まだまだ完全な姿ではありませんが、山鉾はこれで合計33基に。
本年も、大船鉾は7月24日「後祭巡行」の最後尾を進みます。
なお、鉾建ては17日~、曳初めは20日。
宵山期間中は、鉾の塔乗(有料)も可能です。
さまざまな歴史資料をもとに再建された大船鉾。
真木なしの状態では、高さ約6m、全長約7mです。
同じように船の形をしている船鉾と比べると、1.126倍大きいそうです。
昨年150年ぶりに復活された大船鉾は祇園祭2015の見所のひとつとなるでしょう。
ぜひご注目ください。
sitano
京都祇園祭2016の後祭りの日程は?
約半世紀ぶりに後祭が復活し17日と24日の2度に分けて山鉾巡行が実施されることになります。
また150年ぶりに復活する33基目の山鉾・大船鉾の復活にも要注目です。
これらの変更によって、山鉾巡行のコースや宵山の日程などが従来と異なる点があります。
巡行コースや日程を確認し、2015年の祇園祭散策にお役立てください。
後祭(あとまつり)2016の日程
巡行ルート :※通過予想時刻
烏丸御池を出発(9:30~)
↓
河原町御池(10:05~)
↓
四条通河原町(10:40~)
↓
四条烏丸に到着(11:22予定)
約150年ぶりに再建された大船鉾が巡行する後祭。
一昨年まで24日に行われていた花傘巡行も同日に行われる予定です。
まとめ
①1000年以上続く祇園祭の本来の形を、正しく後世に残すため
②150年ぶりに復活する33基目の山鉾・大船鉾の復活と合わせた
●1864年、「蛤御門の変」で焼失した大船鉾はさまざまな歴史資料をもとに再建さた。
●京都祇園祭2016のあと祭りの日程は 後祭宵山(21~23日),後祭巡行(24日)